血を吸う大地ッ!!

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昨日の敵は今日の盟友??『ファルコン&ウィンターソルジャー』S1EP3をザックリとレビュー

単なる噛ませ犬かと思いきや…

オススメ強度:★★★☆☆

前回、結局ジョンと袂を分かったバッキー&翼コンビ。だが有用な情報は見つからず、ふたりは新たな足掛かりを探る事に。超人血清の出所を辿る為、なんとバッキーは、今は亡国と成り果てたソコヴィアの兵士バロン・ジモ(ダニエル・ブリュール)の元を訪ねようと提案。

ジモは元軍人とは言え、超人的な能力を何ひとつ持ち合わせていないフツーの人間にも関わらず、巧みな情報戦で単身アヴェンジャーズを分裂に追いやった程の策士。バッキーが以前の様に暴走しないとも限らず反対するサムだったが、状況が状況だけに渋々これを承諾、ふたりはジモが収監されているドイツへ。しかし意外にも、ジモは表情穏やかにバッキー達を歓迎するのだった。

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※ネタバレ注意!

殺陣のシーンはカメラのカットも面白く、長回しも多くて今回も素晴らしいの一言。エミリー・ヴァンキャンプ扮するシャロンが、コンテナ群でボコボコにされながらも必死に応戦する終盤シーンに見惚れてしまう。更にバッキーが暴れるカットでは、ウィンターソルジャーっぽいアレンジのサントラもあって感激。

ただ雰囲気と筋書は何となくジョン・ウィックを彷彿させ、食傷気味。シャロンとジモふたりの再登場は凄く嬉しいんだけど、唐突に現れて面倒な事を全て解決してくれる展開はご都合主義的に感じられた。007ことジェームズ・ボンドが名所探訪する、シリーズ恒例の観光シーンっぽさも有るけど、サム&バッキーのスタイルは野性味溢れてよそ者感が強く「どう考えても不審だろ」と思わずツッコミ。

ともあれ古めかしいトレンチコートでキメた、ダニエル・ブリュール演じるジモの存在感が凄まじい。信用して良い物かどうか…でも今の所は良いヤツそうだし…という怪しさ、うさん臭さのサジ加減がとにかく絶妙。と言うか最早バッキーとサムより目立ってるじゃねーか(恐怖) もっと噛ませ犬的に悪役側へ回るのかと思いきや、道具係に足役に情報屋にとついさっきまでムショに入ってたとは思えない程実に多彩な活躍で魅せてくれる。サムとバッキーふたりだけでも関係が相当こじれてるのに、微妙に優等生っぽくて、しかし頭の中で何考えてるんだか分からないジモの顔が強烈過ぎる。と言うかCWから学びなさいよ絶対怪しいぞコイツ…

ジモのバックボーンも明かされた。どうやら名のある高貴な家系だったらしく、スティーブ・ロジャースが血清を投与されWW1で戦っている頃、ジモ家も欧州でレッドスカルの侵略に反抗していたらしい。しかし、今はウルトロンとの闘いで家族を失い、更に祖国ソコヴィアは周辺国に実効支配され亡国に。やたら旧車と金だけは持ってる孤独な男が遺されてしまった。

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『アンタの超能力って何なんだ?』

『金だよ』

遠い過去、戦地で家族も苦しめられた超人血清の出所を突き止めるべく、バッキーとサムに次なる目的地を示すジモ。しかしそこはそれ。過去の罪を清算するべく、更なる追っ手が三人に迫る…

 

来週以降のカメオにも期待!!

サノスがもたらした五年の空白というのが絶妙にリアルに感じられた。『ワンダ・ヴィジョン』のモニカがそうだった様に、戻った頃には家族と知らぬ間に死別したヒトも居れば、事業計画が勝手に白紙撤回され、金持ちからどん底に落ちたヒトだって当然居るハズである。

そしてカリにしても、盾を授かったジョンにしても、勝手な正義感から段々と行動が過激な方へエスカレートしてる辺り、CWでの闘いがダブるかの様だ。シャロンともバッキーとも違い、盾を破壊するべきだったと語るサムのシーンから、彼の純粋さが伺える様な気がする。

今回のジモと彼の周りの目線を通じて「脇役なんて存在しない」という事実を再認識。ウルトロンの件からすればジモも間違い無く悲劇のヒトだが、だからと言って誰かに恨み辛みを押し付けて良いハズが無い。ラスト、狭い路地でワカンダの使者と対面するバッキー。バッキーとサムのみならず、シャロンやジモの行方にも要注目だ。