血を吸う大地ッ!!

映画,ゲーム,ドラマの感想ダラダラ書いてる

後半戦は超ドラマティック!!!『ロキ』S1EP2をザックリとレビュー

ツッコミ所も多いっちゃ多いが…

オススメ強度:★★★★★

※ネタバレ注意!!

序盤、けたたましく鳴り響く"Holding Out a HERO"が強烈。ロキというキャラクターや、本作のあらすじを歌詞の内容と照らし合わせてみると、かなり示唆的に感じる。

メビウス捜査官(オーウェン・ウィルソン)の『変異体ロキ』追跡調査に参画する運びになった優秀な方のロキ(トム・ヒドルストン)。しかし、万事順調とは行かず最初の調査はいきなり不意に終わり、TVAにおけるメビロキコンビの立場は更に悪くなってしまう。

業を煮やしたメビウスに資料課へ放り込まれたロキ。助言を気持ち半分で聞き流し、故郷アスガルドの悲壮な未来を資料越しに眺めるロキだったが…

f:id:EARTHtheBLOOD-SUCKER:20210617230424j:plain

(↑オレハサラダガキライダー‼!!)

トムとオーウェン両名が扮するメビロキコンビの表現力に、とにかく惹き込まれるエピソード。オーウェンも自前のブロンドだったらまだまだ若く見える風貌だが、本作では貫禄溢れるナイスミドルといった感じで、ロキと探偵ごっこしてる最中のブロマンス感も出色の演出だと感じる。

やや混乱する部分に改めて注釈。本作のロキは『バトルロイヤル』以降で丸くなったロキでは無く、時系列的に『アべンジャーズ』NY決戦で姿を消したいけ好かない小悪党の方なのでセコさ小物っぽさが全面に出て来ている。TVA のジャケットに袖を通してバッチリ決まってるハズなのに、それでもメチャクチャ胡散臭い風なのはロキのその髪型のせいだろうか?

序盤からメビウスやTVAのスタッフら相手にゴチャゴチャとまくし立てたり、これから噴火し始めるポンペイ火山の麓でおちゃらけたり、真の黒幕と対面してもなんだかんだマイペースで一貫してる等、様々な表情を見せるロキは、北欧神話における悪戯の神サマそのもの。

そして、終盤のクライマックスにていよいよ変異体の正体が露わに。1話の時点でやや華奢な印象だったが、果たして正体は数ある時間軸から生まれ落ちた魔女のロキだった。原作(?)である北欧神話にしても、MARVELコミックにしても、実に多様な姿で活躍するロキ。女だったり、男だったり、形容し難いバケモノだったりと実にバラエティ豊かだ。オーディンの愛馬スレイプニルも、ロキがメスの馬だった頃に身ごもって出産した馬である。

暗いスーパーマーケットで二人が対面する場面は、色彩も強烈で無茶苦茶ドラマティック。目的も動機も分からぬまま、リセットチャージで同時多発消滅を引き起こした魔女に顔をしかめるロキ。出し抜かれた事を自身のプライドが許さなかったのか、それとも魔女に思う所があったのか、段々心を開き始めていたメビウスを横目に、魔女の後を追ってロキは遂に姿を消してしまうのだった……

 

色々気になってしまう都合の良い設定

終盤のクライマックスは文句無しだった。しかし、「大災害が発生した場合、時空を捻じ曲げる変異エネルギーは発生しない」という設定やタイムキーパーの存在、TVAの仕事の有り様には違和感が残る。要はTVAがリセット・チャージで有象無象を抹消している様に、大きな災害がヒトもモノも何もかも消してしまう≒自覚軸に干渉する様な不都合な事実もリセットされるという事なんだがビミョーに納得が行かない。

仮に2話のスーパーマーケットから魔女っ子ロキが"CaBoom"キャンディを持ち出さなかったら、1話でメビウスが少女から証拠として押収する事も無かったし、ロキとメビウスの追跡の足掛かりに成る事も無かったんじゃ…

タイムキーパーも気掛かりだ。時間軸をあるべき姿にまとめ、麗しい宇宙のエピローグを編集中らしいが、今の所は実質的に重大事案を放置してる感じで、そんな荘厳でエラい存在とは到底思えない。TVAの職員も施設の中では強大だが、タイムトンネルから一歩でも外に出たら、装備が独特な警備員程度の強さであり、イマイチ頼りない点もなんだかなーとは思う。

信頼していたロキの逃亡を許してしまったメビウス、そして今の所いたぶられ続け、ついでに体よく利用されてばかりなTVAの明日はどっちだ。