血を吸う大地ッ!!

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ラメンティスの憂鬱…『ロキ』S1EP3をザックリとレビュー

展開はともかく、キャラ立ちと掘り下げは中々

オススメ強度:★★★☆☆

大量のリセット・チャージで時間軸を無理矢理捻じ曲げようとした魔女(ソフィア・ディ・マルティノー)の後を追う、ロキ(トム・ヒドルストン)。タイムトンネルを通り、TVAに再出現した二人は居合わせた職員やレンスレイヤーも巻き込み、殴ったり斬り合ったり消滅させたりと揉めに揉める。

隙を付いてタイム・パッドを起動し、魔女ごと瞬間移動したロキ。しかし行きついた先は、間もなく滅亡を迎える星ラメンティスであった。とっさにタイム・パッドを魔術で消し、魔女に協力出来ないか交渉を持ち掛けるロキだったが…

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※ネタバレ注意!

身もフタも無い感想だが、ストーリー的には一時停止した形。その代わり、ロキと魔女のシルヴィの内面を丁寧に掘り下げている。当初こそ敵意を剥き出しにしていたが、ラメンティスからの脱出手段がタイム・パッドしか無い為、仕方なく協力し合う二人の姿に惹き付けられる。

一見、和やかに会話している風だが、なんだかんだシルヴィが一貫して計画の全容や動機を隠している為、傍から観たらロキが熱心に独り語りしてる様に写ってしまう。そこも含めてイタズラの神らしい雰囲気。

嘘なんだかホンキなんだか分からない告白をするロキ。母親譲りの魔術をどや顔で披露するロキ。景気良く酒を呑むロキ。挙句、酔っ払って歌いまくり、大いに盛り上がるロキ。警備員にボコにされ、超狭い窓から放り投げられてしまうロキと、演者であるトム・ヒドルストンのファンの方にとって絶対必見のエピソードとなっている。MCUの全キャラ中でも凄まじい胡散臭さを誇るロキが愛を解くとは… ちなみに歌唱シーンは、トムヒが歌う原語版と平川大輔さんの日本語吹き替え版の二種類が収録されている。

シルヴィの個性も興味深い。扮するソフィア・ディ・マルティノー女史は自前のブロンドとビー玉の様な瞳が印象的で、怪しい雰囲気もある一方、独特なチャーミングさもあり、こんなピッタリな俳優さんを良く探して来たな!とキャスティング班の眼力に脱帽するばかりだ。

また前回までの冷徹さから一転してやはりロキの名からは逃れられないのか段々シルヴィのポンコツぶりが露呈して行く描写も面白かった。なんやかんやあってタイム・パッドは破壊されてしまい、ラメンティスの箱舟に乗って脱出を試みようとするふたり。しかし、希望を掛けた宇宙船は、ふたりの眼前で無慈悲にも崩壊してしまう。ガレキの中、茫然とするロキだったが…

 

既にイイ仲のふたり

第三話が配信されてから、国内外で「遂にあのロキにもヒロインが!!」と祝福する様なコメントがあちこちで散見された。海外のファン・コミュニティではLoki×Sylvieのカップリングで"Sylkie"なんてタグもあった。

一方、保守的なMCUファンからは劇中のバイを彷彿させる様なロキの発言と合わせ批判する声もあったそうな。曰く「近親者の不純な交遊を彷彿、助長している!」との事。いや、何でだよ?同じロキでも別次元から現れた別人なのに…??*1

ちなみに比較的新しい方の原作だとロキシルヴィは良い仲どころか、ガッツリ踏み込んだ間柄なのであしからず。

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いやマジでさぁ、NETFLIXDisney+の二つは熱心なキリスト教徒サマ向きのエンタメじゃないと思うんよ…

 

*1:なんとなく『アンブレラ・アカデミー』で「仮に養子同士でセックスしたら近親相姦になるか」問題で荒れに荒れたトピックを思い出した