血を吸う大地ッ!!

映画,ゲーム,ドラマの感想ダラダラ書いてる

『マンダロリアン』について気になるトピック

さらば、ジーナ

Disney+で絶賛配信中の『マンダロリアン』に関して、唐突に重大ニュースが飛び込んで来た。

劇中、元トルーパーで主人公ディンと度々戦地を共にし、同ドラマ中のサブ主人公と評して差し支えないぐらいの活躍だったキャラ・デューン。

f:id:EARTHtheBLOOD-SUCKER:20210212153540j:plain

そのキャラを演じるジーナ・カラーノが今回、Disneyから正式に解雇された。しかも、今後はSTARWARSいかなるプロジェクトに参画する事は無いとのお達し付きである。

きっかけは自身のInstagramの引用シェアで、元々は、とあるTikTokユーザーが全米の政治情勢を揶揄した内容の投稿だったらしい。第二次大戦下、血まみれでユダヤ人虐殺に怯えた様子の女性の写真を添え、いわく

『ナチスは突然ホロコーストを始めた訳じゃなく、「ユダヤ人こそ真の邪悪だ」と人民の意識を捻じ曲げたから』

『政治観が違う相手をキライって言うお前らも大して変わらねーよ』というドギツい内容。

ユダヤ人差別に馴染みが無い日本人に例えるなら、『広島、長崎の原爆投下を引き合いに茶化してる』レベルのヤバさである。レイシズムに厳しい海外ではこういった類いのネタは御法度だし、過去にも多種多様な人間がクビを切られ、キャリアを台無しにして来た悪しき歴史がある。

ハリウッド女優で言えばミーガン・フォックスだろう。『トランスフォーマー』撮影中、ミーガンはマイケル・ベイの派手な画作りに対する偏執ぶりシビアぶりに辟易していたらしく「ヒトラーかよww」とインタビュー中に笑い飛ばしていた。しかし、プロデューサーに付いていたスピルバーグはユダヤ系。コレに激怒したスピルバーグの手でミーガンは即降板。『トランスフォーマー』シリーズ中から姿を消してしまった。

今回のジーナの場合、更にマズい事に芸能マネジメントを行なっていた、ショービズの大手代理店との関係も解消されてしまったそうだ。今後、ジーナはDisneyのみならず、ハリウッド全体で俳優として活躍する事が難しくなるかもしれない。

SNS上でそこそこ悪名高かったジーナ

一応言っておくとジーナは親トランプで熱烈な共和党支持者である。性的マイノリティに否定的で、過去にはLGBTQやBLMを茶化した様な投稿で議論が絶えず、hater=アンチもかなり居たらしい。

実はDisney内でスピンオフの製作も計画されていたそうだが、去年の11月にジーナはマスクを着用する人々を馬鹿にする様なポストを平然とアップ。これを受けDisneyは計画を急遽、白紙撤回。結果として12月に開催された投資家向けプレゼンから、キャラのスピンオフが土壇場で削除されたらしい。

Disneyの上役達は事態が深刻化するより、ずーっと前からジーナと距離と取りたかったらしく、ジョン・ファブローが方々を説得し、何とか各シーズンをジーナ込みでクランクインに漕ぎ着けたそうな。実際、ジーナの演技は中々の物で、格闘家の経験も活き、彼女が扮するキャラ・デューンの玄人っぽさに一役買っている。SWファンは勿論だが、今は誰よりもファブローが一番落胆している事だろう。*1

ヒトと真正面で話すのと違い、気を遣わず一方的に自分の意見を押し付ける事が出来る為か、SNSやオンラインゲーム上だと、豹変したかの様に露悪的に振る舞うヒトがそこそこ居るのも残念ながら事実であり、ジーナも全米の過激な右派と同じく、そんな人間だったと言う事か。

一方プールで和んだり、SWファンとセリフの言い合いしたり、同郷のジェイソン・モモアと駄弁ったり、ギターの練習したりとクリエイティブで前向きにSNSを活用している、同じく『マンダロリアン』のレジェンド的な共演者テムエラ・モリソン爺さんの姿勢は見習いたい所。

f:id:EARTHtheBLOOD-SUCKER:20210212192318p:plain

ジーナより22歳も年上ながら投稿はいずれも微笑ましく、使い方もジーナよりよっぽど長けてる様な気がするし、コレこそ本来のSNSの姿では無かったか。ゲームにしろ、SNSにせよ、画面の向こうには生きた人間が居る事を忘れないようにしたい。

果たしてキャラ・デューンの明日はどっちだ⁈

何やかんやあって、ジェームズ・ガンはMCUに復帰したワケだが、今回のジーナに関して言えば復帰はもはや不可能と思われる。問題はキャラという登場人物が今後どうなるかだ。

『マンダロリアン』のキャラ・デューンはSTARWARSに初めて触れるルーキーのみならず、古参ファンからも熱烈に支持されたキャラクターだった。

JJとライアンの新三部作が賛否分かれ、今なお議論が絶えない中で、このキャラ・デューンという登場人物が説得力に富み、多くのファンから自然に受け入れられた事実は見るべき点だろう。

シーズン3の製作も予定される中、キャラの今後がどうなるのかも気になる所。もう劇中で拝めないとでも言うのか、それとも代役でも立てるつもりなのか。何にせよ、複雑で余計な懸念が増えてしまった。うーむ..

*1:というかメイキングでカール・ウェザースを相当リスペクトしてる風だったのにそこから得る物がもっと無かったのか。『マンダロリアン』に出演してるチリ出身のペドロ、NZ出身のテムエラ、監督にはアジア系のデボラ、ナイジェリアとの繋がりが深かったリックと、かなり多様な面々が揃っているにも関わらず、何も慮る物が無かったのか。うーん…