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STARWARS新章『BAD BATCH』を観る

実質"CLONE WARS"新シーズンの幕開け

STARWARS記念日の5/4が今年も粛々と過ぎる中、Disney+にて"BAD BATCH"がいよいよ配信開始に。大方の予想通り、プロデュースからディレクションまでデイヴ・フィローニの指揮により製作された、実質的な"CLONE WARS"シーズン8の開幕だ。

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主人公となるBAD BATCH部隊は各メンバーが秀でた能力を有する一方、遺伝情報に問題を抱えたクローン兵の欠陥品であるとされ、メンバーひとりひとりも見慣れたジャンゴ顔とはかけ離れた容姿。その為「まさかねぇ…」とは思っていたが、そこはそれ今回もクローン兵の吹き替えは全員金田明夫さんが担当なさっている!! 金田さんも良い御年と思われる事だし、今冬には待望となるボバのスピンオフも予定されている。金田さんも体調を崩さない様に御自愛頂いた上で、ファン一同BAD BATCHを完走して貰いたいと願うばかりだ。

序盤、お馴染みのナレーションと一緒にドロイド達との戦闘が始まり「あぁー、この感じクローンウォーズだなぁ…」と懐かしく思った矢先、オーダー66が発令され仲間だったクローン達が淡々とジェダイ狩りを始めるシーンにショックを受けた。BAD BATCHの時代はEP3のオーダー66でジェダイが討滅され、共和国が銀河帝国に成り果てる暗黒期の物語であり、クローンウォーズ同様で子供向けと言うにしてはダークでタフな雰囲気である。不安と恐怖に苛まれながら逃走したケイレブと呼ばれる事もあるの後ろ姿がとにかく辛い。

クローン兵の配備についても、ターキン提督指揮下でカミーノの量産計画が見直され、惑星各地で強制徴兵が始まり、クローン・トルーパーからストーム・トルーパーへ切り替わる頃。生き残って散り散りになったジェダイにしても、生産がストップして後は消耗されるだけとなったクローン達にとっても、過酷で冷たい時代の始まりである。

またクローンウォーズ観てから本作を鑑賞すると「エコーってあのエコーなの?」「ナラセってあのナラセなの!?」と登場キャラクターにまず驚かされる。*1一応、何も観ないでも楽しめると思うんだが、出来ればクローンウォーズと合わせて楽しみたい所。

BAD BATCH部隊含め、STARWARSに仲間入りする新顔にも注目したい。なんだかんだナラセと仲が良く、主人公であるハンターとも心を通わせる少女オメガ。脳内チップを増幅され、仲間を見限ったクロスヘア。そして、時代が移ろう中で岐路に立たされるBAD BATCH部隊。トラブルは早くも山積みだ。

 

順風満帆と行かないフィローニの経歴

STARWARSというブランド、および版権配給のフランチャイズがルーカス傘下からDisneyへ譲渡された際、クローンウォーズの製作先行きが不透明だった事から、フィローニらクリエイター陣含め、ルーカス・アニメーションのスタジオが閉鎖ないし縮小したのでは無いか?という疑惑が持ち上がっていた。

結局の所、JJとライアンの新三部作は、かなり賛否分かれる評価のまま終幕。一方、Disney+という新規VODの設立と合わせ『マンダロワ内戦編』からSTARWARSのオタ同士、息も合っていたジョン・ファブローの元マンダロリアンが製作される運びとなった。同じ時期、シーズン7の製作も水面下で企画されていた様である。

邪推でしか無いが、独自路線を貫きたいライアンとキャスリン・ケネディ、そしてオタクを自称しても「広く浅い」タイプのJJら首脳陣のコンセプトに対し、古参ファンがそこそこな拒絶反応を示した事から、Disneyとしても「ファンを何とか繋ぎ留めたい!」というバイアスが働いたと思われる。

だいぶ遠回りだったけど、フィローニが前線復帰して、クローンウォーズや"REBELS"含め、スピンオフの裾野が広がった事実は喜ばしいと思う。BAD BATCHの時代は暗いとは言え、新旧のキャラクターも絡ませ易く、ネタには困らないだろう。また新しいエンタメを提供してくれるルーカス・アニメーションには感謝しかない。

*1:「スピンオフとなれば必ず出張って来る」とファンの間でウワサのソー・ゲレラがいきなり顔出ししてて草