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黄泉返る亡霊に戦慄せよ!『マンダロリアン』S2EP6をザックリとレビュー

思いもよらない、過去の亡霊の復活!

※ネタバレ注意!!

オススメ強度:★★★★★

エイリアンの御婦人、ボ=カターン、アソーカ・タノと来て、次の目的地は惑星タイソンへ定まった。辿り着いた先で丘の上にそれらしい石を見つけるディン、一方時を同じくして、予想もしない追っ手が二人に迫っていた。

EP6はロバート・ロドリゲスが監督を担当。帝国残党の場当たり的な進撃と、ボバ&フェネックの現代的な迎撃の対比が面白い。監督得意の発破が多く観られ、今回は珍しく屋外でのロケもそこそこかと思われる。殺陣はどれもダイナミックで、観ているだけでも「痛い‼」と感じさせるかのようだ。一方、ストームトルーパー達のマヌケな姿もとてもユニーク。船の中でグローグーに微笑むディンもまた印象的だった。この戦闘シーンの苛烈さと、時々見せる可愛いらしさのギャップがロドリゲス監督っぽい。

そして今回何より見逃せないのが、S2第一話で改めて生存が示唆されたボバ・フェットだろう。今シーズン終盤で活躍が拝めるのかと思いきや、ここに来て前シーズンのフェネックのタッグと臨んだ、獅子奮迅の大立ち回りに興奮しっぱなしだった。また日本語の吹き替えもかつてボバの親父、ジャンゴ・フェットを演じた金田明夫さん御本人。更にディンと交渉を始めるカットは、EP2の惑星カミーノにてオビワンと交わされたセリフが引用されており、とにかく感激の一言。

ボバ・フェットの画像

野性味あふれるタスケンの棍棒を用いた白兵戦、そしてマンダロワ装甲を身に纏い、装備をフル活用した銃撃戦と息を呑む殺陣の連続で、オリジナル三部作での影の薄さと汚名を見事に払拭してくれた。またS2EP1のコヴ(ティモシー・オリファント)と今回のボバの体格差も面白い。テムエラ・モリソン氏は、'02年にEP2でボバの父親ジャンゴ・フェットを演じ、今回約20年ぶりにSWサーガへ復帰した来た事になる。

新三部作ではマーク・ハミル御大も、流石に減量でだいぶ苦労したらしい。同じアーマーを着込んでいてもコヴとボバの個性や違いが際立つよう、体系を上手い感じにキャラクターへ落とし込んで、しかも古強者らしさも感じさせるカッコ良い演出は流石と感じる。*1 またジャンゴ&ボバ親子のルーツも改めて示された形で、曲がりなりにも教義に則った立派な"マンダロリアン"と気付かされる。それとCWの時点から既にそうだったが、マンダロリアンの仕事に対する几帳面さ、神経質さもそれとなく描かれている。

一方で、宿敵ギデオンの抜け目なさ、強かさにも戦慄。惑星タイソンでフォースの共鳴にこそ成功したディンとグローグーの旅だったが、ギデオンはこれまで自宅兼愛車だったディンの貨物船レーザークレストを上空からの爆撃でもって一撃で破壊、更にディンにとって新たな生き甲斐と言っていい存在だったグローグーの拉致まであまり意味が無さそうな赤ちゃん用の手錠までわざわざ用意してやってのけてしまった。

これまで死亡したと思われていたボバとフェネックの二人は、船を破壊されたディンに更なる協力を提案する。一方のディンも、返す刀でネヴァロに降り立ち新共和国の保安官と認められたキャラ・デューンに協力を申し出るのだった…

 

とにかく不遇続きだったボバ・フェット

オリジナル三部作でメインキャラにも引けを取らない人気者だったにも関わらず、劇中における扱いは相当な不遇ぶりだったボバ・フェット。EP5でソロを単身追い詰めたのは良い物の、その後のEP6序盤では自慢の装備品をロクに活用出来ないまま、ソロの当てずっぽな攻撃でジェットパックが暴発、サルラックに喰われてしまう。当のルーカス本人は、ボバがSWファンからこれほどの支持を得ていたとは知らなかったらしく、その後の特別篇でボバを登場させたり、EP2でジャンゴ・フェットという父親を創造し、マンダロワ装甲をフル活用した戦闘シーンを劇中で多数演出している。しかし、ジャンゴの最期は…

その後、サルラックから脱出した!という描写はSWレジェンズでは度々描かれたが、このマンダロリアンになってようやっと公式に映像化。と言うか、同じくレジェンズ作品『アフターマス』の登場人物であるコヴに、色々と事情があったとは言え装備品を勝手に拝借されている辺り、ここでも不遇と言わざるを得ない。

今回はブラスターピストルだけでなく、マンダロワ装甲に多数搭載されたブラスター、小型ロケット、背部のミサイルまで持ち出して帝国残党を圧倒。更にルーカス監督時代から、度々劇中に登場していたタスケンレイダーの武器『ガダッフィ・スティック』を得物にストームトルーパーをボコボコにしている。正直、その独特過ぎる形状とEP4序盤でルークに襲い掛かったアイツの姿もあって、勝手に間抜けな印象を抱いていた。

しかし、確かな戦術とそこそこな怪力を有するマンダロリアンが振り回すとどれだけ凶悪な武器か思い知らされた。演じたテムエラ・モリソンはニュージーランド出身という事もあり、先が曲がったガダッフィ・スティック独特の形状もあってか、まるでマオリの尖兵みたいだ。鬼神の如き表情で戦場を見渡すボバを拝めるのはDisney+だけ! キミも今すぐマンダロリアンをチェック!(ダイマ)

*1:そうは言っても、今になって復活したボバのスタイルを茶化す意見もそこそこあるにはある(笑)

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