家族水入らずな生活を求めるワンダだったが…
オススメ強度：★★★★☆
冒頭の赤ちゃんヴィジョンを見て「そうはならねーだろ」とツッコミ。時代は再び移ろい'80年代みたいになったウェストビューで、トミーとビリーの双子を授かったワンダ。傍から…というよりテレビ越しに観たら、様々なトラブルに見舞われながらも、家族の時間を謳歌しようと試行錯誤してる風な二人。
他方、ウェストビューのすぐ外。SWORDの前線拠点では、開放されたモニカの情報と合わせ、ワンダのこれまでの奇行が暴かれていた。一週間ほど前、ワンダはヴィジョンの遺体を奪取、ウェストビューに駆け込むと街ごと封鎖したらしい。ワンダを擁護したいモニカ、しかし上司のヘイワードはワンダの経歴を参照し「街の住民を人質に取っているテロリストだ」として強硬なスタンスを崩さない。
やにわに活発化するSWORD基地。一方で、ウェストビューの内側でも異変が起こり始めていた…
※ネタバレ注意!
前話を引き継ぐ形で構成が切り替わり、視点が『ワンダ・ヴィジョン』のシットコム側とモニカ達の現実(?)側を交互に行き来して、よりスリリングで見飽きないスタイルになった。*1それと『ワンダ・ヴィジョン』が配信される前から、何かと「ファンもきっと驚きますよ!」みたいな予告がされていたがこの際メインストーリーがどーでも良くなる程の超ド級サプライズがあった点も見逃せない。
そのサプライズはともかくとして、今回のドラマはヴィジョンにより迫った内容で心打たれた。中々思い通りにならない子育て、更に大なり小なり外部からの介入もあり、最早パワーの行使も気にせず居直った感じのワンダ。一方でヴィジョンは、アグネスの様子や会社に届いたメール、激しく動揺する同僚のノーム、何より記憶が無い自分自身を訝しく思い始めていた。
会社でノームが激しくまくし立てるシーンは必見。ノーム役のアシフ・アリーさんは勿論の事、吹き替えを担当なさった藤田大助さんの演技も凄まじく、特に取り乱した所でヴィジョンが手を触れ、元に戻るカットがとにかく不気味過ぎてショックを受けた。
胸中複雑なヴィジョンを他所に、今度はやりたい放題のワンダ。そりゃMCUに入り浸ってる視聴者達も、モニカと同じでワンダを庇いたい想いだろうが、ウェストビューの外に出張る場面は明らかに一線越えてるだろう。案の定、帰宅後にエンディングのクレジットが流れてる最中なんですがヴィジョンと一触即発になるワンダ。しかし大事な話をしている時に限って、来客が訪れるのもまた付き物だ。
しかし、その来客というのが……次週の『ワンダ・ヴィジョン』も乞うご期待!!!
始まれ!MCUマルチヴァース‼
まさかのエヴァン・ピータース扮するクイックシルバーが、生意気な口調もそのままに登場!!ココに来てMCUのマルチヴァースの機運が一気に高まって来た!
勿論、このエピソードだけ観て「遂に来たか!マルチヴァース‼」と喜ぶのも早過ぎる気がしないでもないが、FOX買収後にサービスが始まったDisney+で、唐突にX-MEN等を配給し始めた辺り、今にして思えば「こういう構想もありますよ」というDisneyの姿勢だったのかも。
当時、FOXがミュータント系のキャラクター版権を保有して映画を製作・配給していた都合上、コミックの設定を一部掻い摘んだだけのMCU版クイックシルバー(アーロン・テイラー=ジョンソン)とマグニートーの息子であるFOX版クイックシルバー(エヴァン・ピータース)は一応は全くの別人という位置付けで、名前も前者がピエトロ、後者がピーターと発音が違う。
少し横に逸れるが、2010年公開のダサいオタクが割とガチめにヒーローを目指すという、情熱あふれる大バカ活劇『キック・アス‼』でアーロンとエヴァンは共演。
その後、奇しくもアーロンはMCU、エヴァンはFOX版X-MENでそれぞれ別なクイックシルバーを演じ、スーパーヒーロー達の仲間入りを果たす事になる。*2
『ワンダ・ヴィジョン』と『Dr.ストレンジ』の新作では、それぞれのキャラクター達が交互に出演すると告知されて来た。更にトム・ホランド版スパイダーマンでは、早くからマルチヴァース化と豪華カメオのウワサで持ち切りだ。MCUのマルチヴァース展開、とにかく楽しみで待ちきれない‼
