血を吸う大地ッ!!

映画,ゲーム,ドラマの感想ダラダラ書いてる

意外な程、ミクロな集束『ワンダ・ヴィジョン』S1EP9をザックリとレビュー

予想よりもこじんまりとしたエピローグ

オススメ強度:★★★☆☆

『ワンダ・ヴィジョン』シーズン1もいよいよ最終回。Disney+の国内ユーザーも既に相当な母数になってるハズなのにインフラは相変わらず貧弱らしく、オンラインは延々ローディング、動画をアプリにDLして観ようと思ったら今度はアプリがクラッシュとドラマ一話観る為に、とにかく踏んだり蹴ったりな有様。

そして肝心の最終回。思っていたよりか、こじんまりとした結末。やっぱり新型コロナの影響もあり『ワンダ・ヴィジョン』の製作も、想定していたコンセプトとはやや離れた地点で妥協された様に感じられる。ちなみにクレジット中のオマケがふたつも用意されているので、お見逃しなく。

自宅前で対峙するアガサとワンダ。アガサはワンダの過去を探るだけでなく、彼女が秘めた魔力までも我が物にしようと画策する。挑発するアガサに翻弄されるワンダ。一方で、ヘイワードの放ったホワイト・ヴィジョンとSWORDの部隊もウェストビューに迫っていた…

※ネタバレ注意!

f:id:EARTHtheBLOOD-SUCKER:20210306065722j:plain

ワンダの望む、平穏そうで実は歪んでいた『ワンダ・ヴィジョン』の苦々しいエピローグ、そしてスカーレットウィッチとしてのビギンズをバランスよく描いている。アガサvsワンダのラストバトルは、Dr.ストレンジのとんちとも一味違い、何となく初期のNARUTOの連載みたい。

同じアメコミであっても、DC市民のアットホーム感と比べMARVEL市民の辛辣さが方々でネタにされているが、他人に対する差別・偏見意識をぬぐい切れない市民の目と、過去の魔女狩りを照らし合わせたラストにはなるほど!と感嘆。

夕闇が迫って、ウェストビューが元通りになって行く中、淡々とワンダ一家の様子を写す場面はやはり辛い。思えばヴィジョンは半分有機体、半分機械のシンセゾイドだった訳で、子供も望めなかったのかもしれないが、ヴィジョンとワンダが夢見ていたウェストビューでの暮らしが改めて思い起こされて心打たれた。さっきまで家があった空き地がとにかくむなし過ぎる。

ワンダがモニカに一瞥するカットもまた印象的だった。愛する人を思いがけず奪われた者の痛み。ワンダが家族以外の誰かに、初めて共感した場面だったかもしれない。『ワンダ・ヴィジョン』製作時には想定していなかったろうが、新型コロナが今なお猛威を振るうアメリカにとって、政治的な思惑だったり、社会の分断だったりと結果的に相当タイムリーな内容になっている。

一方でやや気掛かりだった点もそこそこ。まずCGの表現がやや粗っぽく、おもちゃ感が出てしまっていて少し残念。*1脚本も撮影時の都合がマズかったのか、中々に畳みかける内容で、若干ながらご都合主義的に感じられた。ダーシー何処行ったん… ただ後に続くMCU作品にとって、大きな布石になったとも感じる。思えば、メディアとMARVEL関係者のハッタリに踊らされてばかりの8週間だった…

f:id:EARTHtheBLOOD-SUCKER:20210306080056j:plain

(↑それではココで、八週間あまりに渡り超ビッグなカメオやら、メフィストやら、マルチヴァースやらで勝手に盛り上がってる連中をあざ笑うファイギをご覧下さい。)

もうアイツらの言葉は信用ならんがフェイズ4ではワンダが超重要人物になるとの報もあるし、コレは見逃せない!!(アホ)更に数週間後にはバッキー&翼も配信される。Disney+のアーカイブと合わせ、また新鮮な気持ちで楽しみたい所。

 

結局マルチヴァースは叶わなかったが…

観返すとアガサの設定もスカーレットウィッチのコスチュームも、原作を尊重したアレンジの落とし込みがとにかく秀逸だったと感じる。ファイギも『ワンダ・ヴィジョン』の製作陣も、仮に『ワンダ・ヴィジョン』を観て無くても今後のMCUは問題無く楽しめるよ!と、当初から重ねて告知して来た経緯がある。節子、マルチヴァースなんて無かったんや… 思えば、エヴァン・ピータースのクイックシルバーもどきも最初から予定されていたものだったんだろう。しかしラルフ・ボナーとは…*2

Dr.ストレンジのカメオも結局実現しなかった。しかし、アガサの魔力と知識の逆ドレインに成功したワンダはひとり、修練を続けているらしい。アガサが破滅をもたらすと語ったスカーレットウィッチの存在。突如として飛び去ったホワイト・ヴィジョン共々、ファンとしては闇堕ちして欲しくは無いんだが… 他方、亡き母親の馴染みだと語る人物と面会したモニカの動向も気になる所。ますます期待は増すばかりだ。

*1:ここら辺は先に『マンダロリアン』を2シーズン分楽しんだ影響もあるか。

 

*2:綴りはRalgh・bohnerだが、boner = 勃起と発音が同じ