血を吸う大地ッ!!

映画,ゲーム,ドラマの感想ダラダラ書いてる

【微ネタバレあり】クズな人生でもワンチャンあるぞ!!「スーサイド・スクワッド」‼

基本情報

原題:Suicide Squad

製作年:2016年

監督・脚本:デヴィッド・エアー

製作主導:DCエンタテイメント、ラットパック・エンタテイメント、アトラス・エンタテイメント

製作国:アメリカ

登場人物

フロイド・ロートン/デッドショット:ウィル・スミス

Dr.ハーリーン・クィンゼル/ハーレィ・クイン:マーゴット・ロビー

ウェイロン・ジョーンズ/キラー・クロコ:アドウェル・アキノウィ=アグバイ

チャト・サンタナ/エル=ディアブロ:ジェイ・エルナンデス

ディガー・ハークネス/キャプテン・ブーメラン:ジェイ・コートニー

山城たつ/カタナ:福原かれん

ジョーカー:ジャレッド・レト

 

レビュー「色眼鏡ナシでお願い致します」

オススメ強度:★★★☆☆

MCUと比べ、DCEUはサントラも参加アーティストもとにかく豪華で

素晴らしく、劇中での曲の挿入も見事で痺れますね!!

しかし今作は、デヴィッド・エアー監督のフィルモグラフィ史上において

製作、評価どちらも相当に過酷な作品となりました。

穴が空くほどPVを動画サイトで視聴⇒劇場で実際に鑑賞すると

起用されなかった未公開シーンが結構ある事に気付きます。

またしても円盤で完全版ですかそうですか…

 

現状、WBもDCもマーベルに追いつけ追い越せと

とにかく躍起になっている事は明々白々なワケですが、

キャラクター一人一人の掘り下げを思うように出来て無い点が大きなネック。

強引に例えるならば、コンビニに売ってるジャンプ総集編買って

キャラ紹介ページだけは眺めるんだけど、後は結局見ないような感じかも。

紹介と言えば、実際に公式でメンバー特集のPVが組まれてますね。


監督にデヴィッド氏の起用が決定した際、

確かにその意外性に惹かれましたが、プロダクション側としては

「彼が撮るなら安パイだろう」という下世話な意思も透けて見えます。

 

実は、めちゃくちゃキツい製作スケジュールだったとか、

試写段階で二つのバージョンが存在したとか、怪しいウワサも流れ始めてます。

とは言えエメリッヒと違い、製作陣の姿勢は投げやりではなく本気そのもの。

監督自身も含め、キャストも精一杯「部隊結成」に努めております。

元のキャラがキャラだけに案の定、役作りに関しては全員苦戦したそうな…

 

特に女性陣が皆キュートで印象的。メンヘラ可愛いハーレィも決まってますし、

福原カレンのカタナ、カーラ・デルヴィーニュの「彼女」の両名は

何だか妙にフェチな魅力でぞわぞわ感じさせます。

ヴィオラ・デヴィス演じる悪辣極まりない政府高官アマンダもGOOD!

一番驚いたのはJ・コートニー。人相変わるぐらい体重増やしてます。

 

デヴィッド監督のこれまでの経歴に加え、前作でのコネが役立ったのか、

警察や米軍サイド、ミリタリー面の描写はやたらとリアル。

加えてウィル演じるデッドショットの精密射撃による迎撃シーンや

ハーレィとジョーカーの蜜月、ディアボロのトラウマなど

ここぞ!という部分はきっちりと描写し、魅せてくれます。

 

しかし、監督自ら手掛けた脚本も画面構成も今までのような緻密さは無く、

かなり大味でご都合主義的な仕上がりに感じます。

先ほど「過酷」と記述した通りに現状、シネフィルや批評家の意見は

どれも厳しいものばかりです。なんでかってこの作品がありますからね…

そりゃ比べないワケがないでしょう。

 

しかし、批評家筋の評判は悪いながらも、本作を支持する声もまた多く

キャラクターの個性付けを評価する声もあります。

面白い事に「DC?アメコミ?なんじゃそれ??」という

ミリしら一般人にもウケている様子。

何故マニアに叩かれ、にわか勢には好評なのでしょうか?

筋書自体はハイパーシンプル

劇場で観れば分かる。

これはクズ野郎が悔い改めるだけの話だ!!

アマンダとかジョエル・キナマン演じるリック・フラッグ大佐の

描写からポリティカルな雰囲気がかなり強い割に政府や軍部の

動向がかなりおざなりな為、ノーランバット信者から嘲笑されておりますが、

もう一度言う…

クズが悔い改める、ただそれだけだ!!

 

中盤辺り、バーから自棄気味に出て行こうとするフラッグ大佐に

デッドショットが聖書を引用し、必死に食い下がるシーンがあります。

興奮を抑えきれず昂るも、少しだけ不安な雰囲気も感じさせるウィルの演技に

とにかく引き込まれ、思わずホロリとしました。

「特攻隊」の主題は、あのバーで交わされた一連の対話の中にこそあると思います。

 

批評家やマニアは、過去のDCコミックの実写化フランチャイズや

劇中のキャラクター造形ばかりにどうしても目が行きがちで、

結果として本作のアラ探しばかりに繋がっている節があります。

逆にDCも知らない、実写化シリーズにもさして関心が無いと言った

一般の方々にこそ、本作のシンプルなテーマが伝わるハズです。

 

要は色眼鏡ナシでの鑑賞をオススメしますって事!!

ぶっちゃけ一部キャラクターは扱いがかなり不遇ですが、

そこはまぁ…大目にご覧頂きたい次第ですORZ

ぶっちゃけ今作のJはどうなの?

役柄的に不憫なのがジョーカーを演じたジャレッド・レト氏。

クリスチャン・ベール並みのカメレオン俳優として知られ、

様々なアワードを獲得してる演技派ですが、

彼にとっても本作はしんどいキャリアになりそうです。

コレを比べるなって言う方が無理あるでしょう。

実際、故ヒース・レジャー氏が演じたジョーカーが至高の域に達していた為、

どう頑張ってもヒンシュクは免れない状況でした。

 

今作のジョーカーは、良く言えば無垢な子供の邪悪さを持っている雰囲気、

悪く言えば後先気にしないパンクなチンピラと言った風。

しかし、原作コミックやアニメイテッド版(吹き替えは今は亡き青野武氏)を

踏まえてからジャレッドジョーカーを観るとかなり忠実な個性付けです。

 

ヒースジョーカーと比べた場合、流石に周到さやカリスマ性では劣りますが、

「何をどうしてこうなったwww」という原作通りのムチャクチャさが

今作のジョーカーには健在で、計画性のケの字も無い行き当たりばったりな

立ち居振る舞いがとても印象的でした。

 

Mr.Jの暗躍、そしてSUICIDE-SQUADの再出動が今から待ちきれません。

'16 10/6 追記

やはり来ましたね、完全版のアナウンス。


う~む…

部隊結成の軌跡を、速くこの目で確かめたいです。